お月様と主人とそれからわたし

阿保 周子

人生に不幸な出来事はつきものである。
その不幸な出来事の中でも最愛の人との別離ほど辛いものはないだろう。
ある日、突然に、働き盛りの夫を「過労」のため亡くしてしまった女性がいる。
大学生から中学生までの3人の子どもたちの母親である。

 夫に先立たれた妻は途方に暮れてしまい、涙の日々を過ごしていたが、しかし、いつまでもこうして立ち止まっているわけにはいかない。
遺品を整理していると、生前の夫が講演会に参加したときにもらってきた内観のパンフレットが出てきた。
 女性は、亡き夫とのことを整理するため、つまり「喪の営み」をするために中学生の娘を伴って内観にやってきた。
その後、中学生の妹に促されて大学生の長男も内観にやってきた。
子どもたちは内観して「お父さんに会えてよかった」と喜びを語った。

妻は「内観後、不思議なことばかりが起こるんです」と言って、最近、遭遇した出来事をメールで送ってきてくれた。
読ませてもらって涙が出た。
感動の余韻がなかなか収まらないほどなので、HPにて紹介したい旨をお願いしたところ、快諾してくれた。
ご本人の了解が得られたので、ここに掲載させてもらった。