中日森田療法と内観療法新進展講習班印象記
―中国内観療法ワークショップ印象記―


王 紅欣(無錫市精神衛生中心・精神科医)



 一、講習班の開催

 2006年12月4日から8日まで上海精神衛生中心で「中日森田療法と内観療法新進展講習班」が開催された。中国の山東省、福健省、四川省、河南省、青海省、甘粛省、江蘇省、上海市など20の区域から50人の医者たちが参加され、筆者も聴講生の一人として参加させていただいた。

 日本大和内観研修所の真栄城輝明先生と奥様、信州大学医学教室助教授、日本内観医学会理事長巽信夫先生、大阪心理相談センター榛木美恵子先生、榛木久実指導員、岡山県立岡山病院医療部長河本泰信先生など、7人の日本人の先生たちは遠路はるばる中国の上海までお越しください、講演をなさって、中国の内観の普及に支援してくださった。それに上海精神衛生中心肖沢萍院長からの応援で、王祖承教授、張海音副教授、唐文忠主任医師など先生たちも研究班で講義を行い、閉幕式まで成功した。


 二、講演について

 講演は「森田療法の基礎」、「内観療法の理論と実践」、「内観療法と森田療法との類似点と相違点」、「森田療法と内観療法の文化背景」、「日本における内観療法の歴史」、「中国における内観療法の歴史」、「外来森田療法の臨床応用」、「改良森田療法の臨床応用」、「依存症における内観療法の応用」などいろいろな面について行った。以上の講演に対して聴講生の医者たちはいろいろな質問を提出し、充実な研修だった。榛木美恵子先生の講演について、「浮気をした夫は妻の所に戻ったとき、内観をした妻はいったいどのような心理的な変化が起こり夫のことを受け入れたのか?」河本泰信先生の講義の後、「男性として女性になりたい、こういう人に対して内観療法は効くか?」などの質問が出され、先生たちは以下のように答えた。


 榛木美恵子先生:内観をした妻は「夫に対して大変迷惑をかけましたなー」「夫からしていただいたことは夫にしてあげたことよりずいぶん多かった」「夫が浮気することを理解できるようになって、戻ってきて嬉しかった」と内観後に考え方が変わった。

 河本泰信先生:単なる女性願望の男性に対しては、むしろ内観療法は効果がないと思ったほうがよい。しかし、お父さんの家庭内暴力が幼い心に傷をつけられ、男に嫌になった場合は内観が効くと思う。


 今回の研修では、日本と中国の専門家たちは日本と中国の文化背景について、森田療法と内観療法の理論と治療機序について、興味深い講演を行った。時間の問題でより多くの質問ができなかったが、聴講生の医者たちは内観療法にだんだん強い関心を持つようになった。


 三、筆者から感じたこと

 幸いですが、筆者は鳥取大学で四年間留学し、川原隆造教授の下で内観療法の研究を行っていた。榛木美恵子先生は講演中に筆者のことを在席の皆様に紹介し、日本で内観体験の感想も紹介させてくださった。それのおかげで講演の合間に私は多くの聴講生の医者たちと内観について話し合い、いくつかの質問を受けた:「内観療法の技法は何ですか?」「面接者としていったいどのように指導しますか?」「内観療法の導入についてはどこか注意すべきですか?」「内観による心理的な変化はいったいなんでしょうか?」「内観療法は強迫障害に効きますか?」「内観療法による効果をどうやって評価しますか?」

 自分の理解できる限りいろいろな質問について意見を出しましたが、いくつかのことを感じている。1.多くの医者が内観療法に関心を持つようになった。2.内観を体験したことがないため、具体的なやり方が詳しく知りたい。3. 内観中に面接者の役割について詳しく理解したい。

 つまり、東方思想に基づく内観療法は中国の医者たちに理解されやすい、効果的な心理療法として、これから中国に普及する必要がある。